「兵庫県が革の街」と言われている理由は、革作りに必要な水を確保できる川があったことや牛が飼育されていたこと、塩が採れたことなどの条件が揃っていたからでした。
この工場ではどんな加工を行っていますか?
世界各国から原皮を仕入れるところにはじまり、「ウェットブルー」と呼ばれるクロムなめし、風合い出し、染色、型押し、エナメルがけなどの仕上げまでトータルに行っています。
「ウェットブルー」とは?
ご覧のように、ウェット=濡れて、ブルー=青い、状態です。皮をクロムという青いなめし剤に漬け込み、強度を高めたり、柔らかくしたり、染めやすくしています。お財布用の皮は約1日漬け込みます。
皮を湿らせて大丈夫なんですか?
皮はなまもの。私たち人間が保湿するように皮も保湿し、ヒビ割れを防いでいます。加工することで乾いても丈夫な革になるんですよ。
その後ローラーで水分をある程度飛ばし、製品に合わせて皮の厚さを整えます。
青いバケツには何が入っているんですか?
皮に味わいを出すための樹脂や油などの薬品です。しなやかさを出したり、柔らかくしたり…用途に合わせて使い分けます。何百種類ある薬品から適したものを選び、大きな樽で回しながら皮になじませ、風合いを出します。
この巨大なローラーは?
皮をやわらかくするために、叩きながら繊維をもみほぐす機械です。マッサージ機のようなイメージでしょうか。
こうして加工前のまっさらな革ができあがり、型押しや染色の工程に進みます。
次回は、職人技光る「型押し」と「染色」をレポート!